複雑な県境とか境界未定地域とか

飯豊山神社にまつわる県境問題

今朝こんなpostを見かけて、気になったので調べてみた。


明治時代になると、廃藩置県が実施され、それまで会津の一部であった東蒲原郡が福島県から切り離され、奥宮は新潟県東蒲原郡実川村(現・阿賀町)に編入されることとなったが、これに麓宮のある耶麻郡一ノ木村(現・喜多方市)が反発、「飯豊山神社は、奥宮と麓宮で一宮である」として一ノ木村の一部であるとした。結局、内務省裁定により飯豊山までの参詣道は一ノ木村の土地となった。現在の、いびつな形の福島・新潟・山形県境はこれに由来する。

地形上の3県境がある三国岳付近から飯豊山を経て御西岳の西にある御西小屋付近に至る約7.5キロメートルの登山道と飯豊山頂の神社境内地が福島県である。うち、三国岳から御秘所(おひそ)、御前坂に至る約4キロメートルについては、幅約91センチメートル(3尺)であり、飯豊山頂と飯豊山神社付近は最大300メートルほどの幅がある。

奥宮も含めて一つの神社なのに一つの神社のなかで県境を設けるとはなにごとか、という意見が通った結果の県境、ってことか。ちなみに、「飯豊町」という名前の地方自治体は北側の山形県にある。

境界未定地域

これと似たような話として「境界未定地域」というものがある。読んで字のごとく、県境や市区町村境が確定していない地域のこと。

国土地理院の平成25年全国都道府県市区町村別面積調によれば、2013年10月現在、都道府県境が確定していないところは全国で14箇所ある。山の頂上付近の境界が未定となっているものが多い。富士山の頂上付近も、山梨県と静岡県との間で境界未定となっている。

東京近郊だと、以下の3箇所が境界未定地域になっている。

  • 水元公園付近(東京都葛飾区と埼玉県三郷市:南が葛飾区、北が三郷市)
  • 江戸川水門付近(東京都江戸川区と千葉県市川市:西が江戸川区、東が市川市)
  • 旧江戸川河口付近:葛西臨海公園と東京ディズニーリゾート間、R357・首都高湾岸線の舞浜大橋より南の部分(東京都江戸川区と千葉県浦安市:西が江戸川区、東が浦安市)。ちなみにこの地図から少し西に行った荒川の河口部分は江戸川区と江東区の境界が未定

この他にも、調べてみると同一県内で境界未定となっているところは割とたくさんある、ということがわかる。少し古い情報ではあるけど、ここのページを眺めてみると結構面白い。

入り組んだ県境とか境界未定地域とか飛び地とか、そういう話を見るとなんだかワクワクしてしまう。地図は面白い。