3日目:7月30日 熊本→長崎→福岡
さていよいよ旅も終盤、3日目です。
切符の有効期限が3日間なので、この日で回り終えて博多に帰る感じです。
指定席6回の枠も、残りあと2枠。
この日、もともとはこんな旅程を考えていました。
- 朝早く熊本を出て昼ごろ長崎着
- 長崎で昼食後、市内散策して夕方前には長崎発
- 夕方に博多着、博多で夕食
ただ、「そういえば熊本城をちゃんと見てない」
「やっぱタイピーエン(太平燕)食べたい」
みたいな感じになっちゃったので、大幅に旅程を変更しました…。
熊本城散策と、タイピーエンを食す
というわけで、熊本城を散策しに出発。
前の日のお宿が市電の電停目の前だったので、
そこから市電で移動です。
市電を降りて数分、須戸口門から入城しました。
入場料を払って中に入ります。
石垣の間を進みながら坂を上がっていくと、天守閣が見えてきました…
横から見るとこんな感じです。
熊本城の特徴でもある武者返しの石垣*1 が、安定感があってなんとも美しい。
熊本城の多くの建物は西南戦争等で消失してしまったのですが、
この石垣は一部改修された部分はあるものの、
その多くがほぼ江戸時代の頃の姿を保っているのだとか。
この熊本という地に大きな足跡を残しているのが、
かつて熊本藩の初代藩主を務めた、加藤清正です。
加藤清正は熊本城の築城だけでなく、
自らの領地の治水・利水事業にも積極的に取り組んだといいます。
その技術はとても優れたもので、
400年あまり前に作られた農業用水路が未だ現役で使用されているケースもあるんだとか。
そんな加藤清正を祀った神社が、
熊本城のすぐ裏手にあるようなので、立ち寄ってみました。
その名も「加藤神社」。
幟には「仰清正公」の文字。
鳥居をくぐって右手に進むと、なかなかよい眺め。
「熊本城近望の名所」という看板も立っています。
遮るものがほぼなく、熊本城を眺めることができます。
神社参拝後はタイピーエンを食べに移動…の前に、
開店まで少し時間があったので、
一度熊本駅に行って長崎行きの指定を取っておこうと思い、熊本駅へ。
前の日に熊本駅で指定取っておけば良かったのですが、
すっかり失念していて、これがアダになりました。。。
みどりの窓口に行ってみたものの、
乗りたい時間の新鳥栖→長崎のかもめは、
「グリーンも指定席もいっぱいです」という回答…。
やむなく自由席での移動が決定。
気を取り直して、タイピーエンを食べに紅蘭亭へ。
タイピーエンは、春雨スープの上に五目炒め、
さらに揚げた卵が入ってる、という感じの料理です。
熊本市あたりでは、学校給食でも出るくらいメジャーな料理なんだそうで。
開店直後くらいの時間に行ったので、すんなり入れました。
ただ、割とちゃんとした感じの中華料理屋さんだったので、
リュック背負った旅行客風情だとちょっと入りにくいかも。入ったけど。
で、早速出てきましたタイピーエン。
見た目こってりしてそうに見えますが、
スープは結構あっさりした感じで美味しいです。
んでもって麺は春雨。割とヘルシーな食べ物、かもしれない。
お昼を食べ終え、一路熊本駅へ。
路面電車のある風景を何点か撮影。
熊本→長崎
熊本 12:46 → 新鳥栖 13:12 さくら404号
熊本→長崎の移動手段としては、
- 熊本→(九州新幹線)→新鳥栖→(長崎本線)→長崎
- 熊本→(バス)→熊本港→(フェリー)→島原港→(島原鉄道)→諫早→(長崎本線)→長崎
という2パターンを考えてみましたが、
時間的に列車かな…ということで上の選択肢に。
というわけで、熊本からはN700系で新鳥栖まで移動です。
なぜか自由席の列に並んだところで、
せめて熊本→新鳥栖の新幹線をN700系のグリーンで取っておけばよかったのでは、
と思ったけど、時すでに遅し。その場で機転が効かなかったのが惜しい…。
よくある2列+3列シートの自由席に揺られて、30分ほどで新鳥栖に到着。
新鳥栖 13:19 → 浦上 14:45 かもめ23号
新鳥栖駅は、九州新幹線が博多まで開通した際に新たに設けられた駅です。
なので、駅としては比較的シンプル。
駅構内図を見ても分かるとおり、
乗り換えはあっという間です。
指定席もグリーン席も満席、という時点で嫌な予感満載でしたが、案の定不安的中。
自由席もいっぱいで、デッキまで人が溢れてました。
普通の平日の昼間なのになぜ…といった感じです。。。
たぶん、2枚きっぷ・4枚きっぷによるところが大きいんだろうなぁ、と。
高速バスと結構熾烈な価格競争を繰り広げているみたいなので。
とはいえ、佐賀で結構降りるんだろうなぁ、という予測。
予想通り佐賀で降りる人は結構いて、座ることはできましたが、
デッキに溢れるほどじゃなくなったというだけで、
席は結構埋まったまま、長崎に到着。
というか、平和公園に行ってみたかったので一つ手前の浦上で降りました。
長崎市内散策
坂の街、長崎。駅に降り立つと、
急峻な山の斜面に住宅その他の建物が建っているのが、よく見えます。
まずは、浦上駅前から市電に乗って平和公園へ。
入口。エスカレーターが整備されていました。
結構暑かったので、助かった。。。
平和祈念像。平和式典のちょっと前だったので、色々と準備中な感じでした。
自分の目の前でゴロンと寝よった…かわえぇw
しばらくネコと戯れて、次に行ってみたかった場所へ。
長崎は路面電車が120円均一だし、本数も結構豊富だし、
結構使いやすいです。
そんな路面電車に乗ってやってきたのは、こちら。
福砂屋の本店です。
長崎といえばカステラ、カステラといえば福砂屋か文明堂か松翁軒か、
といった感じですが、福砂屋のカステラが好きなので福砂屋に。
思案橋の電停から歩いて数分、というところにあるのですが、
周りがフツーの飲み屋街でビックリしたのでした。
商店街の中とかに本店があるもんだと思ってたので…。
おみやげ用にカステラを発送し(持って帰ると意外と重いので)、
次は中華街へと向かいます。
長崎新地中華街で、ちょっと早めの晩ご飯。
立ち寄ったのは「江山楼」というお店です。
ちゃんぽんか皿うどんか迷いに迷って、結局ちゃんぽんにしました。
リンガーハットのちゃんぽんはたまに食べますが*2、
それよりももうちょっとこってり目のスープ。具沢山で美味しかったです。
ご飯を食べ終わった後は、観光通りのあたりをウロウロ。
すると、「マツヤ万年筆病院」なるお店を見つけました。
何の予備知識もなく偶然お店を見つけたので、
入ってみようかなぁ、と思いつつも、
いやいやこれ以上万年筆が増えるのも…と思って結局やめてしまったのですが、
自宅に戻ってきてからマツヤ万年筆病院のことを調べてみると、
やはりその筋ではかなり有名なお店っぽい。
また長崎に行く機会があったら、ぜひ訪れてみたいです。
観光通りの散策もひと通り済んだところで、一度長崎駅に戻ります。
ついでに、路面電車を何台か撮影。
次の目的地は、さすがに路面電車では行かれないところなので、
別の道具を借りに行きます。その道具とは…
まぁ、クルマなんですけどもw
旅先でカーシェアリングです。
タイムズカープラスのようなカーシェアリングサービスは、
最初の頃は東名阪あたりにしかなかったものが、
最近ではそれ以外の大きな都市でも、
駅前近くにクルマが配置してあるケースが多くなってきました。
しかも15分200円~(タイムズの場合ね)、ガソリン満タン返しのルールもない*3。
というわけで、今回ちょいとクルマを借りてみることに。
クルマを借りて向かった先は、稲佐山。景色がメチャ良いとこなのです。
函館山、六甲山と並ぶ、日本三大夜景の一つなんだとか。
長崎駅から15~20分といったところでしょうか。
本来であれば山頂までクルマで上れるのですが、
この日は混雑が予想されたのか、
8合目あたりにある大規模駐車場までしか一般車は入れず、
そこから展望台まではシャトルバスでのピストン輸送でした*4。
展望台の上からの写真を何枚か。iPhoneのパノラマで撮ってる写真もあるので、
クリックするともう少し大きく見られると思います(flickrに飛びます)。
ホントはもっと暗くなるのを粘って待てればよかったのですが、
電車のスケジュール的にもう戻らないとムリ!という感じになってしまって、
慌てて長崎駅へ。どうにか間に合わせて、博多へ向かいます。
長崎→博多
長崎から博多のチケットは、長崎駅でクルマを借りる前に確保していました。
九州一周ツアーの締めくくりは、コイツでございました。
787系、黒いかもめ。ということは…
そう、DXグリーン席再び。
駅の売店でビールを買ったので、お酒飲んでゴロ寝してたら
いつの間にか博多に着くところでした…w
まとめ
今回の旅程でハッピーバースデイ九州パスを使わなかった場合の料金を計算してみます。
(鉄道以外のルートは計算から省いています)
区間 | 運賃 | 特急料金 | 合計 | 備考 |
---|---|---|---|---|
博多→別府 | 3,570円 | 2,880円 | 6,450円 | グリーン料金含む |
別府→大分 | 270円 | 270円 | ||
大分→宮崎 | 3,880円 | 4,050円 | 7,930円 | DXグリーン料金含む |
宮崎→南郷 | 1,250円 | 1,000円 | 2,250円 | 指定席 |
南郷→志布志 | 720円 | 720円 | ||
鹿児島中央→熊本 | 3,150円 | 3,610円 | 6,760円 | 指定席 |
熊本→新鳥栖→長崎 | 3,880円 | 2,880円 | 6,760円 | いずれも自由席 |
長崎→博多 | 2,730円 | 3,950円 | 6,680円 | DXグリーン料金含む |
合計 | 19,450円 | 18,370円 | 37,820円 |
以上のような結果になりました。
これがトータル2万円で済んでいるので、バッチリ元は取った計算です*5。
グリーン車を含む指定席6回の枠は、グリーン3回・指定席2回。
結局1つ余らせちゃいましたが、まぁそれはそれ。
DXグリーンに2回乗れれば満足ですw
ぐるっと一周するだけなら、もう少し早く一周できると思いますが、
各地でそれなりにあちこち見て回ったので結構ギリギリでした。
特に、佐賀はほぼ通過しただけになっちゃったのが惜しい。
話題になった、武雄の図書館とか行ってみたかった。
それにしても九州の列車はやっぱり楽しい。見ていても乗っていても。
水戸岡ワールド、堪能させていただきました。
実はこの次の日は福岡の神社めぐりをしてるので、その分については番外編としてまた書きます。
- 下の方はゆるやかで、上に向かうほど急な角度になる石垣 [↩]
- ちなみにリンガーハットの1号店はもちろん長崎にある [↩]
- ガソリンが足りなくなったら、自分でスタンドに行って入れる方式。クルマにガソリン会社のコーポレートカードが備え付けられているので、支払いはそれで行う。個人的には半分切ったら入れるようにしてる [↩]
- 8合目あたりの駐車場はホントに広くて、数百台余裕で止められる感じ。一方、頂上の展望台にある駐車場は数十台しか止められない感じだった [↩]
- 実際にはこのルートであれば、乗車券は博多-志布志の通しと鹿児島中央-博多の通しと新鳥栖-長崎の往復で買うはずなので、もう少し安くなるような気はする [↩]