なんかニュースとかでは「はがきが52円→62円に、ただし年賀状は据え置き」という話がよく流れてたけど、日本郵便のプレスリリースを読むと今回値上げになるのは郵便はがきだけではない。「定形外郵便」と「ゆうメール」も、そのサイズによっては値上げになる(ただし定形外郵便は一部のケースで現在よりも値下げになるケースがある。後述)。
ともかく日本郵便から出されたプレスリリースを読んでみよう
以下はリリース文からの引用。「第二種郵便物」というのは、要は通常はがきと往復はがきのことである。
日本郵便株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 横山 邦男)は、2017年6月1日(木)から、第二種郵便物及び定形外郵便物の料金並びにゆうメールの運賃を改定します。
郵便料金は、郵便物の減少が続く中、機械化等による生産性向上や各種コスト削減に取り組み、1994年の改定以来、2014年度の消費税増税時を除き実質的に22年間据え置いてきました。しかし、近年、人件費単価の上昇等により、郵便事業の収支が悪化している状況にあります。
また、大型の郵便物等の増加により、持戻り・再配達を行うことによるコストが増加しています。このような状況を踏まえ、今後も安定的なサービスの提供を維持するため、郵便料金等の一部を改定いたします。
変更点の詳細
第二種郵便物(葉書)
現行 | 改定後 | 差額 | |
通常はがき | 52円 | 62円 | プラス10円 |
往復はがき | 104円 | 124円 | プラス20円 |
年賀はがき | 52円 | 52円 | – |
これは、まぁ分かりやすい。ちなみに52円が引き続き適用される年賀はがきについては、以下のような条件の記載がある。
12月15日から翌年1月7日の間に差し出された通常葉書であって表面に「年賀」の文字を明瞭に朱記して差し出されたものとします(私製のものを含みます。)。
今後は、余った年賀状を期間外に懸賞応募とかで再利用したい時は、10円足す感じになるんでしょう。
定形外郵便
重量 | 現行料金 | 新料金 | 現行料金との差額 | ||
規格内 | 規格外 | 規格内 | 規格外 | ||
~50gまで | 120円 | 120円 | 200円 | ±0円 | プラス80円 |
50g超100gまで | 140円 | 140円 | 220円 | ±0円 | プラス80円 |
100g超150gまで | 205円 | 205円 | 290円 | ±0円 | プラス85円 |
150g超250gまで | 250円 | 250円 | 340円 | ±0円 | プラス90円 |
250g超500gまで | 400円 | 380円 | 500円 | マイナス20円 | プラス100円 |
500g超1kgまで | 600円 | 570円 | 700円 | マイナス30円 | プラス100円 |
1kg超2kgまで | 870円 | 規格外 | 1,020円 | – | プラス150円 |
2kg超4kgまで | 1,180円 | 規格外 | 1,330円 | – | プラス150円 |
こっちはちょっとややこしい。今回新たに、長辺・短辺・厚さ・重さについて「所定の規格」が登場し、それに当てはまるかどうかによって料金が変わってくる。つまり、定形外郵便の中でも「定形外で規格内」「定形外で規格外」という2パターンの料金制になる、ということである。なんだそれ。
その「所定の規格」というのは以下の通りで、長辺・短辺のサイズはおおよそ角2封筒*1 の大きさに合わせてあると考えればよさそう。もう一つ上のサイズの角1封筒になると、縦382mm×横270mmとなって規格のサイズをはみ出してしまうので、注意…。
- 長辺34cm以内
- 短辺25cm以内
- 厚さ3cm以内
- 重量1kg以内
ちょっと強引に比較対照してみると、こんな感じになるだろうか。
現行 | 新料金での「規格内」 | |
長辺 | 60cm以内 | 34cm以内 |
短辺 | – | 25cm以内 |
厚さ | – | 3cm以内 |
重さ | 4kg以内 | 1kg以内 |
備考 | 長辺+短辺+厚さ≦90cm |
これまでの規定では短辺・厚さに関する個別の指定はなかったが、今回新たに登場したことになる。この「規格」にハマらなかったものは「規格外」の扱いになるので、料金が上がる。
ゆうメール
重量 | 現行料金 | 新料金 | 現行料金との差額 | ||
規格内 | 規格外 | 規格内 | 規格外 | ||
150gまで | 180円 | 180円 | 265円 | ±0円 | プラス85円 |
150g超250gまで | 215円 | 215円 | 305円 | ±0円 | プラス90円 |
250g超500gまで | 300円 | 300円 | 400円 | ±0円 | プラス100円 |
500g超1kgまで | 350円 | 350円 | 450円 | ±0円 | プラス100円 |
1kg超2kgまで | 460円 | 規格外 | 560円 | – | プラス100円 |
2kg超3kgまで | 610円 | 規格外 | 710円 | – | プラス100円 |
ゆうメールとは、かつて「冊子小包」と呼ばれていたサービス。本来は雑誌やカタログといった冊子を送るためのサービスなのだろうが、冊子小包という名前とは裏腹に「電磁的記録媒体」を送ることも可能なので、CDやDVDをゆうメールで送ることもできる。
このゆうメールも、定形外郵便と同様に「所定の規格」が登場し、規格外の場合は割高な料金になる。規格はさっきの定形外郵便と同じで、以下の通り。
- 長辺34cm以内
- 短辺25cm以内
- 厚さ3cm以内
- 重量1kg以内
ちなみに日本郵便には、これと似通ったサービスとして「クリックポスト」ってのがあるんだけど、クリックポストで送付可能な最大サイズが、まさに上で示したゆうメールの「所定の規格」と同じサイズ。ゆうメールで送れるものはクリックポストでも送れる*2 ので、棲み分けを狙ってるのかしら。
ただ、ゆうメールの場合は速達とか書留とか着払いといったオプションを付けられる点が違いといえば違いか。あと、クリックポストはYahoo!ウォレット決済限定だ、そういえば。
余談…
ちなみに、郵便書簡(またの名をミニレター)を62円で送れるのは変わらないので、今回の料金改定によって通常葉書と郵便書簡が同じ料金で送れることになった。郵便書簡ってのは、簡単にいうと「封筒の内側に罫線が書かれていて、その部分を便箋として使うことができ、その他に紙類を同封することもできる」という、なんというか比較的知名度が低い商品だと思うけど、意外と便利よ。
ただし、郵便書簡は重量制限がちょっと厳しい*3 ので、自分の場合は郵便局に風景印とか小型印を郵頼するときくらいしか使わないけども。オークションとかでチケットのやり取りをする人あたりは使ってるのかもしれない。郵便書簡って、1981年までは定形郵便物と同一料金だったらしいので、30数年ぶりに横並びになる、ってことか。